注文住宅に和室は必要?メリット・デメリットとおしゃれな施工事例を紹介
- お役立ちコラム
これから家作りをする方の中には、和室はいるのか、いらないのか、と設置に悩んでしまうケースもあるかと思います。
和室には和室だからこその魅力や機能性がある反面、デメリットがあるのも事実です。
和室の設置で後悔をしないよう、和室のメリットデメリット・おしゃれな施工事例をご紹介します。
関連記事:古い和室をおしゃれに!おすすめのテイストとおしゃれに変化させるポイント
注文住宅に和室は必要?メリットとデメリットを比較して考える

昔は客間としての活用が多かった和室ですが、現代では子どもの遊び場や趣味スペースとして使う家庭が目立ち、ゲストルームは別に設置をすることもあります。
しかし、遊び場や趣味スペース程度であれば「他の部屋でも代替えが効く」「なければないで何とかなりそう」という位置付けで考える方もいます。
一方で「あれば便利そう」という声もあり、設置段階で本当に必要なのかどうか、悩んでしまうケースも多いです。
もしあなたが、和室の要不要で悩んでいるのであれば、これから紹介するメリットやデメリット、事例を比較して、ご自身の環境などに応じて決めると良いでしょう。
注文住宅のおしゃれな和室の施工実例
まずは、アイ-ウッドが手掛けた注文住宅から、おしゃれな和室の施工実例をご紹介します。
詳細ページには和室以外の住まいの全体写真もありますので、気になる事例が合ったらぜひチェックしてみてください。
ゆったり座れる段上がりの和室

床面を一段上げた和室をリビングに設けた事例です。
段差を腰掛けとして活用できるほか、床下収納を設けることで、空間に機能性とゆとりを生み出しています。
施工事例:シンプルなDIY家具が映える、大人のモダンハウス。
実家の床柱と欄間を再利用した和室

ご実家にあった床柱と欄間を再利用した住まいの事例です。
大切に受け継いだご両親の住まいの一部を、新しい家づくりの中に美しく調和させました。
施工事例:愛猫と共に暮らす。暮らしやすい住まいは月日を重ねたご褒美。
上質な和の空間が広がる床の間

床の間を、室内の雰囲気に寄り添うシンプルで上質な和の空間へと仕上げた事例です。
伝統的な意匠を残しつつ、現代の暮らしになじむ落ち着いたアクセントになっています。
施工事例:安心感に包まれて豊かな自然を望む家
注文住宅で和室をつくるメリット

和室の設置に悩んでたり、本当に必要なのか判断に迷ったりしたときは、和室のメリットデメリットに目を向けて、どちらのほうが自分たちにとって響くのかを考えてみましょう。
まずはメリットからご紹介します。
さまざまな使い方ができる
和室はさまざまな使い方ができる空間です。
子どもの遊び部屋 趣味の部屋 客間 洗濯物の「アイロンがけ」「畳む」ができるスペース ゴロリと寝転がるリラックス空間・書斎・収納スペース……。
上記はほんの一例ですが、和室の活用方法としてポピュラーなものばかりです。温かな雰囲気や地べたに座ったり寝たりができるという性質上、フローリングの空間以上にたくさんの用途があります。
リラックス効果がある

昔ながらの和室で使われる畳のい草には、空気清浄や湿度を調整する働きがあるとされています。い草の香りに癒されることも多く、そこにいるだけで癒しを与えてくれる空間です。
またフローリングよりも床が柔らかいことから、地べたに寝転がったり座ったりしても大丈夫、という安心感もあります。 このように和室は肩の力を抜くのに適した場所なため「リラックスできる部屋がほしい」と考える方にとって欠かせない存在となるでしょう。
押入の収納力を確保できる
和室の押入れは上段・下段に別れていて、天井付近にも天袋と呼ばれるスペースがあります。
収納力の高さも、和室のメリットの1つです。 床から天井まで収納ができるのはクローゼットも同じですが、押入れは各収納スペースに区切りができていて奥行きもあります。
そのためクローゼットではしまうのが難しい布団類はもちろん、衣類や子どものおもちゃなど、大物から小さな物まであらゆるものを大量に収納が可能です。
畳の色を変えれば和以外の空間作りもできる

和室で使われる畳はい草色、つまり渋めの緑を連想する方も多いかもしれません。
しかし現在の畳は和紙でできているものが多く、色のバリエーションもさまざまです。
畳の色を従来のい草色ではなく、ブラックやホワイト、青や茶色など好みの色を選択すれば「和」以外のイメージを和室で作ることもできます。
注文住宅で和室をつくるデメリット

和室のメリットはたくさんありますが、デメリットもゼロではありません。
ここからは和室のデメリットについて知り、自分たちの暮らしにおいてリスクや懸念点があるかどうかを判断してみましょう。
床に家具の置き跡がつく
畳はフローリングのように硬くないため、家具の置き跡がつきやすいです。そのためテーブルの足やタンスなどを置くと、畳が重みでへこんでしまうこともあります。
家具を移動させれば畳のへこみが見えてしまうため、家具の配置を入居当初から変えられない、という可能性があることも考慮しておきましょう。
メンテナンスの手間がかかる

ふすまや障子など、和室では建具に和紙が使われることが多いです。和紙は衝撃を与えれば簡単にやぶれてしまうため、家庭によっては頻繁に張り替えが必要になる可能性もあるでしょう。
また、癒し効果のあるい草の畳ですが、日に焼けやすいため経年変化で色褪せが目立ってきます。そうなればこちらも張り替えが必要です。
しかし、畳も和紙タイプなら寿命も長く、い草タイプであったとしても最近では1枚2,000円程度で張り替えを行ってくれるところも少なくありません。
また、ふすまや障子の張り替えは、やり方を覚えれば業者を呼ばなくてもご自身で簡単にできます。
メンテナンス費用を抑えたい方は、DIYでの張り替え方法や畳の種類の検討、安く張り替えをしてくれるところを把握しておくと良いでしょう。
ダニやホコリが溜まりやすい
畳はフローリングの床とは違い、繊維や隙間が多いという性質があります。
そのためフローリングよりもダニや埃が溜まりやすく、除去が難しいとされています。
アレルギー体質の方や体が弱い方、綺麗好きな方にとっては、和室のメリットである「床でゴロゴロと寝る」という行為は、抵抗を感じてしまうかもしれません。
和室の便利な用途例

和室は、仏間・客間・子供部屋・書斎・寝室など、多様な使い方ができる汎用性の高い空間です。
畳の調湿効果やクッション性、座ったり寝転んだりしやすいフラットな床面のおかげで、ライフステージが変わっても使い方を柔軟に変えていけるのが大きな魅力です。
ここでは、それぞれの具体的な活用イメージと、計画時のポイントを詳しく見ていきましょう。
仏間
仏壇や床の間を設けるスペースとして、和室を仏間にするケースは今でも根強くあります。
リビングとゆるやかにつながりつつも、引き戸を閉めれば静かな個室になるため、日常生活の喧騒から少し距離をおいた落ち着きの場をつくりやすいのがメリットです。
仏壇は、直射日光やエアコンの風が当たりにくい位置に配置すると、仏具の傷みを抑えやすくなります。
押入れの一部を仏壇スペースにリフォームして「扉を閉めればすっきり隠せる仏間」にするプランも人気です。来客時にだけ扉を開けて手を合わせることもでき、生活感を出しすぎない工夫にもなります。
また、法事や親族の集まりの場としても和室は重宝します。座布団を並べて大人数で座れるレイアウトにしたり、必要に応じて折りたたみテーブルを出すなど、シーンに応じて柔軟に使えるのも和室ならではです。
客間
泊まりがけの親族や友人を迎える機会があるご家庭では、和室を客間にしておくと非常に便利です。
ふだんは戸を開け放ってリビングの延長として使い、来客時には布団を敷いてそのまま寝室として使えるので、専用のゲストルームを持たなくても泊まれる部屋を確保できます。
客間として使う場合は、押入れの一部に来客用の布団や寝具一式をまとめて収納しておくと、急な宿泊にもすぐ対応できます。壁面の一部を飾り棚にして、季節の花や小物を飾れば、普段はインテリアとしても楽しめます。
リビングからの動線もポイントです。客間の和室がリビングやトイレに近いと、夜間も移動しやすく、年配のゲストにも安心して泊まってもらえます。引き戸で仕切れる間取りにしておけば、ゲストがいても家族の生活動線と干渉しにくく、互いに気を遣いすぎずに過ごせます。
書斎
リモートワークや在宅勤務が増えたことで、「和室を書斎として使いたい」というニーズも増えています。
畳の上にローテーブルを置いて床座で仕事をしたり、デスクとチェアを置いて洋風のワークスペースにしたりと、スタイルに合わせてアレンジしやすいのが特徴です。
書斎用途で考えるなら、まずは「集中しやすい環境づくり」が大切です。リビングから少し離れた位置に和室を書斎として配置すると、家族の生活音が気になりにくくなります。扉を閉めれば音や視線を遮れるため、オンライン会議にも対応しやすいでしょう。
収納計画も重要です。押入れの一部に書類棚や本棚を組み込み、プリンターやルーターなどの機器類をまとめて収納すれば、生活感を抑えたすっきりとした書斎になります。
畳と木の質感に囲まれた空間はほどよい癒やしもあり、仕事で疲れたときにその場でごろっと横になって休めるのも、和室ならではの魅力です。
子供部屋
小さな子どもがいるご家庭では、和室を子供部屋やプレイルームにする使い方も人気です。
畳のクッション性が転倒の衝撃をやわらげてくれるため、ハイハイ期やよちよち歩きの時期でも安心して遊ばせやすい空間になります。おもちゃを床いっぱいに広げても、フローリングより足音や衝撃が響きにくいのもポイントです。
乳幼児期は、お昼寝スペースとしても大活躍します。ベビーベッドを置かなくても、布団を敷くだけで安全に眠れるため、日中は遊び場・夜は親子で川の字になって眠る場所として使い分けることも可能です。
成長に合わせて、学習机を置いて勉強スペースにしたり、ベッドを置いて本格的な子供部屋に移行したりできるのも和室の強みです。
畳が傷みやすいのが気になる場合は、デスクやベッドの下に厚めのマットを敷いて保護したり、フローリング調の置き畳やコルクマットを併用するなどの工夫をすると、長く快適に使えます。
寝室
和室を主寝室として使うプランも、根強い人気があります。
畳には吸放湿性があり、湿気がこもりにくいため、布団が蒸れにくく、夏場でも比較的さらっとした寝心地になりやすいとされています。冬は床からの冷えをフローリングより和らげてくれるため、冷えが気になる方にも好まれます。
布団は押入れにしまえば日中は空間を広く使えるので、「夜は寝室、昼はセカンドリビング」のように、一部屋で二役をこなすことも可能です。小さな子どもと一緒に寝る際も、ベッドからの転落の心配がなく、布団を並べて家族全員で川の字になって眠るスタイルにも向いています。
寝室として計画するなら、窓の位置や採光計画もポイントです。朝日が直接差し込みすぎると早朝に目が覚めてしまうこともあるため、遮光カーテンや障子・ロールスクリーンを組み合わせて、光の入り方を調整できるようにしておくと快適です。
コンセントの位置も、枕元でスマホ充電や照明が使えるように計画しておくと、寝室としての使い勝手がぐっと良くなります。
注文住宅で快適な和室を作るポイント

「デメリットがあるのはわかっているけれど、和室が欲しい」と考える方は、和室をより快適にするポイントを押さえてみてください。
和室の快適性が増せば、デメリットを払拭し、設置に後悔をすることもなくなります。 ここからは快適な和室作りに必要な要素について見てみましょう。
和紙畳を採用する

和室のリスクのひとつとしてあげられるのがダニやカビの繁殖でした。
和紙畳はい草の畳に比べてダニやカビの繁殖を抑えられるため、これらの心配が減ります。
また、和紙畳は硬さがあるため、家具によるへこみもい草に比べると気になりません。 畳のデメリットをなくして和室を作りたいという方は一度ご検討してみてください。
リビング・ダイニングとの距離を考える

お子さんが過ごす空間として和室を設置する場合は、大人の視界に入るよう、配置位置はリビングと繋げるのがおすすめです。
一方で、客間や大人の趣味空間とするのであれば、生活音がなるべく聞こえないように、リビングから離すのが良いでしょう。
その他にも将来は二世帯を考えていて両親の部屋にする予定、という場合にも、やはりリビングからは離れていたほうがリラックスできます。
このように和室の使用用途によって、家のメイン空間であるリビングとの距離を考えてみましょう。
小上がりにする

和室をリビングに繋げて設置する場合は、小上がりタイプにするのも良い方法です。
段差ができることで、リビングの一部でありながら、ほどよく別空間であることを演出できます。
また、小上がりにすれば床下収納が充実し、ほりごたつも作れます。 和室の機能にプラスアルファを求める方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
「和」のテイストにこだわりすぎない

畳=和の空間という認識を持ってしまいがち。
しかし、畳であっても和以外の空間を作ることは可能です。
たとえば、「和」をベースに「洋」の家具や小物類を全体の3割ほど混ぜることで、和モダンな空間が完成します。さらに「洋」の要素を増やせば、海外で注目されているジャパンディスタイルも実現可能です。
赤やグリーン、濃いブラウンなどカラフルな色味を足すことで、アジアンテイストにもなります。 和をベースにしながらさまざまな別テイストが叶うため、家のイメージにあった和室作りを楽しんでみてください。
ウィンドウトリートメントにこだわる

和室の窓周りは障子のみ、と考える方も少なくありません。
障子から入る柔らかい光は魅力的ですが、畳を日で焼きたくない方や、窓からの光量を細かく調整したいという方もいることでしょう。
希望する和室の明るさを実現するためには、ウインドウトリートメントの選択肢を増やしておくと安心です。 たとえば日の光を遮りたいのであれば遮光カーテンを取り付けたり、日の光の入り方を調整したい場合は上下好きな位置で採光ができるシェードを検討したりできます。
地窓や小窓がある和室なら、カーテンとおそろいのロールスクリーンを設置するのもおすすめです。
窓からの景色も考慮

窓から見える景色は、空間の雰囲気を左右します。
和室においてもそれは同じなため、窓に映る風景にも注意を払ってみましょう。
自慢の庭の前に和室が来るように設計をしたり、庭がなければ植物を窓から見える場所に設置したりすれば、緑が目に入り和室空間に和みを与えてくれます。 近隣の視線が気になる場合は、床の近くに位置する「地窓」を選び、景色を楽しむのも良い方法です。
関連記事:注文住宅の美しい庭づくり!ガーデニングのポイントを紹介
くつろぎグッズを充実させる

和室の大きな魅力は、そのままゴロリと寝転がれること。その良さをさらに引き出すために、くつろぎグッズを揃えてみましょう。
大きなビーズクッション、座り心地の良いロッキングチェア、寝転がりながらでも手が届く高さのちゃぶ台など、くつろぎグッズが充実することで和室の快適性が上がれば、利用頻度も高くなります。
「和室を作ってよかった」と思えるように、ご自身や家族が心地良いと思えるアイテムを、充実させてみてください。
和室は必要?不要?迷ったときの判断ポイント

和室が必要かどうか、判断に迷ったときは「和室をどう使いたいのか」に意識を向けてみましょう。
もし、思い浮かぶ和室の使用用途が他の部屋でも代用がきく使い方であれば、和室がなくても困ることは少ないと考えられます。
一方で、「〇〇をするなら和室が良い」と思えるような目的があれば、和室を設置をしても後悔はしないでしょう。
また、もしデメリットが気になるようであれば、住宅メーカーに相談をすることも重要です。フローリング空間でも畳と同じようにくつろげるアイデアを提供してくれたり、デメリットを解消できる知識を与えてくれたりします。
家作りは一生のうちに何回もするものではないため、後悔をしないよう、和室の必要性を家族や住宅メーカーと一緒に考えてみてくださいね。
まとめ:和室のメリット・デメリットを知り設置を検討しよう

和室にはメリットとデメリットがあります。設置で迷っている方は、まずはどちらのほうがご自身のライフスタイルにおいて重要かを判断し、予算や立地条件などから、デメリットの払拭ができそうかを考えてみてください。
満足がいく和室を作り、日々の暮らしを豊かなものにしましょう。
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