GX志向型住宅とは

世界基準に合わせた住宅の高性能化を目指すもの。

エネルギーの安定供給の確保が世界的に深刻な課題となっている昨今。求められているのはこれまで以上に高性能な次世代型の省エネ住宅です。

今、大きく注目されている「GX志向型住宅」についておさえておきましょう。

2025年度からスタートする
住宅補助金制度『子育てグリーン住宅支援事業』。

“すべての世帯”に対して
“最大160万円の補助金”
が交付される「GX 志向型住宅」

※ GX (グリーントランスフォーメーション)とは、温室効果ガスの排出削減と経済成長の両立に向けた社会変革の取り組みのこと。

世界基準の高性能住宅が叶える 健康寿命ものびる豊かな暮らし

日本では以前から、高い省エネ性能を持つ住宅の取得や改修に対して支援する制度がありました。今まで省エネ住宅の基準としてあったZEH (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)では、断熱等性能等級が「5以上」ですが、今注意目されているGX 志向型住宅では「6以上」が基準となり、より高い断熱性能が求められています。
背景には、気候変動やエネルギーの問題だけではなく、日本におけるヒートショックによる死亡者数の多さも関係しています。ヒートショックの原因は、入浴前後の急激な温度差による血圧の変動です。住宅の断熱性能を高めることで、外気温の影響を受けにくくすることが、ヒートショックの対策になることも期待されています。例えばドイツでは、30140年前から健康寿命をのばすために住宅の性能を高める取組みを行っており、ヒートショックの事例が少ないそう。日本人の平均寿命は長いですが、実は健康で暮らせる健康寿命は世界と比べると長くないと言われています。

住宅の性能を世界基準に高めていくことで、健康寿命がのびる。結果的に地球環境にもやさしい。それを叶えるのが、GX 志向型住宅です。2025年度の『子育てグリーン住宅支援事業』では最大ー60万円の補助が出ますが、これから家を建てる方や検討している方には、まずGX志向型住宅の本来の目的について知っていただいて、制度を活用していただくことをおすすめします。

メリット・デメリットは?

【 従来の省エネ住宅との補助内容の比較 】

省エネ性能を高めるという点においては、イニシャルコストは上がりますが、ランニングコストはとても低いです。今回の制度をうまく活用することで、初期費用をおさえることができると思います。
また、太陽光パネルを載せることが必須であるためデザインが制限されたり、断熱性能を優先した時に窓の大きさなどが制限されたりすることがあります。
しかし、世界基準の高性能住宅である限り、住まう家族の健康寿命がのびるような豊かな暮らしが可能です。これから先、何十年と住み続けていくことを考えると、メリットの方が多いことは間違いありません。

POINT

これまで「子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれか」が補助の対象となっていましたが、GX 志向型住宅は「すべての世帯」が対象に。補助額の最大額も大きく増額されました。
GX志向型住宅への対応は、各ハウスメーカーによって違いがあります。施工が可能かどうかも含めて、まずは相談することをおすすめします。

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子育てグリーン住宅支援事業

GX志向型住宅の条件は?

【 戸建住宅の場合 】

※断熱性能等級…「どれだけ熱を逃さずに快適な状態を保てる家か」を示す指標。
※寒冷地や低日射地域、多雪地域や都市部狭小地等において、基準値は異なる。

GX志向型住宅は、ZEH と同じ年閻のエネルギー収支を実質ゼロにする住宅ですが、認定基準が厳しく、特に断熱性能や一次エネルギー消費量はより高い基準が求められています。

POINT

一次エネルギー消費量とは、家庭で使用するエネルギーの総量。太陽光パネルなどを乗せずに、エネルギーを35%以上消費削減するということは、特に難しい点です。
例えば、断熱性能の高いサッシを使う、お風呂のお湯を冷めにくくするための商効率・高断熱の浴槽を採用するなど、削減率を計算しながら35 %を達成しなければいけません。