家事動線が良い間取りのアイデア!押さえるべきポイントと間取り事例も

これから家づくりをするにあたって「家事動線が良い間取り」を目指したいと考える方もいるかと思います。

家事動線が良い間取りにすることで、日々の家事へのストレスが減り暮らしやすさが増すでしょう。

しかし家事動線が良い間取りを実現するには具体的にどのようなアイデアを取り入れれば良いのか、不明な点も多いのではないでしょうか。

この記事では家事動線が良い間取りを実現したい方に向けて、間取りのアイデアや押させるべきポイントについて解説します。

「家事動線」の種類とは?

家事動線とは、家事に関する生活動線のことを指します。おもに以下の内容が家事動線にあてはまります。

  • 洗濯動線
  • 掃除動線
  • 料理動線
  • 買い物動線
  • ゴミ出し動線
  • 来客動線

洗濯動線

洗濯動線とは、洗濯物を洗ってからしまうまでの動線のことです。洗う・干す・しまうの場所がそれぞれ離れていると洗濯動線が長くなり、各作業に手間が生じます。

掃除動線

掃除動線は掃除に関する動線のことです。掃除機を出し入れするだけでなく、掃除機内のゴミを捨てることも含まれます。

料理動線

料理動線は、料理に関する動線のことを指します。冷蔵庫から食材を出し、洗い、調理して配膳をするまでの流れが、料理動線の基本的な内容です。そのほかにも、片付けや洗い物なども料理動線の一部に含まれます。

買い物動線

買い物動線は、買ってきた物を冷蔵庫やパントリー、倉庫に運ぶまでの作業動線のことを指します。車から降りて玄関、玄関から収納スペースまでの距離が短いことや、買ってきた物を収納スペースにしまうまでの工程が少ないほど、効率的な買い物動線といえます。

ゴミ出し動線

ゴミ出し動線は、家庭ゴミを自治体に収集してもらうまでの流れのことです。まとめたゴミを保管する際の工程やゴミ袋を取り出すことなど、細かい内容もゴミ出し動線に含まれます。

来客動線

来客動線とは、来客時に発生する動線のことです。リビングから来客を迎える玄関までの距離や客間に通すまでの距離、生活感を隠すための工程などが来客動線になります。

家事動線が良い間取りのアイデア

家事動線をより効率的に機能させるには、間取りに工夫が必要です。

ここからは生活動線がより良くなるための間取りの工夫をご紹介します。これから家づくりを検討する方は、ぜひ参考にしてください。

【買い物動線】ガレージからパントリーまでの距離を短く

車で買い物に出かける方は、ガレージからパントリーまでの距離はなるべく短く設計するのがおすすめです。ガレージとパントリーの距離を短くすることで、重い買い物袋を持って移動する手間を減らせます。ガレージから靴のままでパントリーまで移動できるように床を土間続きにしておくと、より買い物動線がラクになります。

【洗濯動線】洗濯は1箇所で済ませる

洗濯動線を短縮するには、洗濯物は「洗う」から「片付ける」までを1箇所でまとめるのがおすすめです。洗濯機の置いてある洗面所を広く設けて家事室とし、洗面所からウォークスルー型のクローゼットを設置してみてはいかがでしょうか。

1箇所にまとめるのが難しい場合は、洗濯物干し場を1階にしたり、洗濯物をハンガーのまま収納できる大きめのクローゼットを設置したりして、洗濯動線の一部を短縮するのがおすすめです。一部の短縮化ができるだけでも、洗濯に関わる動線がぐっとラクになります。

【ゴミ出し・洗濯動線】家事室とキッチンに勝手口をつける

キッチンや家事室に勝手口があることで、外への移動がしやすくなります。ゴミ出しや洗濯物に関する動線が短縮できるため、間取りに加えるのがおすすめです。

間口が増えると断熱性や耐震性の強度が減る可能性も考えられるので、対応策も同時並行でプランニングしましょう。

【掃除動線】引き戸は上吊り式の引き戸に

掃除動線を短縮するには、掃除がしやすくなることと同時に、掃除の手間を減らすことが大切です。掃除の手間を減らす方法の1つとして挙げられるのが、引き戸は上吊り式にするアイデアです。

 

上吊り式の引き戸は床にレールがないため、埃が溜まりにくくなります。掃除の手間を減らしながら住まいを清潔な状態に保ちたい方は、ぜひ上吊り式の引き戸を積極的に検討してみてください。

【掃除動線】フロートタイプの家具を採用

フロートタイプの家具を取り入れるのも、掃除動線をラクにする上で有効です。フロートタイプの家具とは、宙に浮いているように見える家具のことを指します。壁付家具、と呼ばれることもあります。

 

フロートタイプにすることで家具まわりに埃が溜まりにくくなります。床の拭き掃除もしやすくなるため、掃除動線の短縮が実現するでしょう。

【料理動線】キッチンとダイニングは横並びにする

キッチンとダイニングを横並びにすることで、配膳の距離が短くなります。片付けの際も空いたお皿をキッチンに持って行くのが容易になるため、料理動線の短縮が実現するでしょう。

また、キッチンと横並びのダイニングは料理の作業台としても活用できます。食材の一時置き場にダイニングを使ったり、家族に料理を手伝ってもらう際はダイニングで作業をすれば、キッチンを広く使えるでしょう。

【料理動線】冷蔵庫・シンク・コンロの位置を調整する

冷蔵庫・シンク・コンロの3点を結ぶ距離を、ワークトライアングルと呼びます。ワークトライアングルの長さは、それぞれの場所へ2〜3歩で移動できる距離がベストとされています。近すぎれば作業がしにくくなり、遠すぎれば移動がスムーズにできなくなるためです。

これから家づくりを計画する予定の方は、ワークトライアングルを視野に入れた上で、冷蔵庫・シンク・コンロのサイズや位置決めをしてみてください。

【来客動線】玄関近くに客間を設ける

来客が多い家庭の方は、玄関近くに客間を設けてみてはいかがでしょうか。玄関近くに客間を設けることで、生活感を目に触れさせずにゲストをお出迎えできます。

また、玄関近くに客間があることでリビングや子ども部屋の生活音も、届きにくくなります。静かな環境で対話を楽しめるため、来客の多い家庭におすすめの間取りです。

家事動線の良い間取りをつくる際に合わせて押さえたいポイント!

家事動線の良い間取りを考慮する際、合わせて熟考したいのが以下の2点です。

  • 収納力
  • 回遊性

それぞれの詳細について、解説します。

収納力

収納力は、すべての家事動線をスムーズにする上で欠かせない要素です。たとえば、洗濯動線の効率化を検討する際、洗濯物や洗濯グッズを十分に収納できる収納力が求められます。

掃除動線においても、掃除グッズが取り出し・片付けしやすいよう、適所に収納力が必要です。

家事動線の効率化を検討する際は、家事動線をより良くするためにどこに・どれだけの収納スペースが必要なのか、合わせてプランニングしてみましょう。

 

回遊性

回遊性の高い間取りは、家事動線の短縮に効果的です。回遊性の間取りとは、ぐるぐると繋がった間取りのことを指します。たとえば、キッチンから洗面所に行けて、洗面所から廊下に。廊下からリビング・キッチンへと移動できる間取りは、回遊性の高い間取りです。

 

そのほかにも玄関土間からパントリー・キッチンへ続き、キッチンからリビング・ダイニングを経て玄関に出る間取りも、回遊性のある間取りといえます。

 

間取りに回遊性があることで、目的の家事を済ませるのに最短ルートで移動できます。生活動線の改善にも繋がるため、回遊性の間取りは家づくりの際に積極的に取り入れると良いでしょう。

家事動線が良い間取りの事例事例

家事動線が良い間取りといっても、具体的にどのような間取りにすれば良いのか迷ってしまいますよね。

効率的な家事動線を考慮しつくられた間取りの事例を参考にして、家づくりのヒントを得ましょう。

こちらは延べ床面積約33坪の住まいの間取りです。

冷蔵庫の脇には階段下収納が設けられており、食料品・日用品のストックがすぐに取り出しやすくなっています。また、ランドリールームも設置していることから、洗濯動線を短縮。ウォークインクローゼットまでの距離が近く、洗濯後の片付けがしやすく工夫されています。

こちらの約35坪の間取りでは、ランドリールーム・家事室・ウォークインクローゼットを横並びに設計しました。洗濯物を洗う・干す・しまうが最短距離で実現できます。

キッチンもアイランドキッチンを選択することで、左右どちらからでも出入りができるように。ダイニングのすぐ脇に冷蔵庫があるため、配膳の手間をぐっと減らせます。

家事動線が良い間取りで暮らしやすい毎日を

家事動線が整った住まいは、暮らしやすさが向上します。より良い家事動線の間取りを実現するためには暮らしをじっくりシミュレーションし、家族にとって効率的な間取りを洗い出すことが大切です。

ご紹介した内容を参考にしながら、どのような間取りがご自身のライフスタイルに合っているのか、家族や住まいのパートナーと話し合ってみてください。

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