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- 和室
築150年の歴史を次世代へ。改装を重ねた住まいを「新築」に
- T様邸/宇土市
- 家族構成:大人2人、子3人
- 1階134.75㎡(40.76坪)/2階69.03㎡(20.88坪)/合計203.78㎡(61.64坪)
頰をなでる風が知らせてくれる季節の変わり目。まさに秋晴れの気持ち良い天気の日に、T様邸を訪れました。横に広がりを見せる外観はまるで平屋のよう。苔むす生け垣や、堂々とそびえ立つ2本のシンボルツリーが、この家が長年重ねてきた歴史を感じさせます。「最初は改築のつもりだったんですが、家族で話し合って、思い切って新築にすることにしたんです」。それから、家づくりの勉強を独学でスタートしたという勉強熱心なご主人! 生まれ変わった我が家での暮らしを楽しんでいらっしゃいます。
安永2年には、宇土の地に居をかまえていたというT様一族。今の場所に住んでからは150年ほど。その間に何度も改装を重ねましたが、間取りは昔ながらの平屋造り。何かと不便になり、思い切って建て替えを決意しました。長年、ご夫婦は農業の仕事に従事され、3人の娘さんも大きく成長しました。そして、娘さんの1人が「この家を継ぐ」といったことから、この歴史ある住まいを、「新築」として生まれ変わらせることを決めたとか。人一倍勉強熱心なご主人は、独学で家づくりの勉強を開始。「のんびりとした田舎の家」を感じられるような家にしたいと考え、アイ-ウッドと共に家づくりをスタートしました。
以前よりもっと“ご先祖様”の存在を身近に感じられる住まい
一見すると、平屋と見間違うほど横長で美しい空間。以前の住まいは平屋造りで63坪ありましたが、新居は2階建て。総延べ面積は61坪とあって、新しい住まいも、ほぼ変わらない広さをキープしました。形や間取りは変わっても、このゆったりした造りこそが、ご主人の一番のこだわり。「元の家のような、田舎らしく“”ひろがりのある家”というテーマは変えたくなかった。色々と自分で勉強しているうちに、木造軸組住宅の注文住宅として、地場で圧倒的なシェアを誇る『アイ-ウッド』さんに行き着いたんです」。見学に訪れた本社総合展示場で、“炭の家”の間取りを気に入り、こんな家にしよう!とすぐに決定。独自の換気システムで、24時間365日、きれいな空気が続くシステム“炭の家”を導入しました。
何世代にも渡って守られて来たT様の住まい。新居でも、昔の面影を少しだけ感じることができます。まず、玄関の前に置かれたベンチ。こちらは6mあった“本梁”の一部を使ったもので、70年の年輪を誇るヒノキを使用。「このまま処分するのは勿体ない」と話す棟梁とご主人が一緒に造り上げ、奥様のお気に入りになっているとか。そしてもう1つが、玄関から入ってすぐの天井に飾られた“飾り梁”。こちらも杉の梁の一部を使ったもので、ひょうたんをあしらった粋な模様が素敵です。そして、きっと後世に語り継がれる、とっておきのエピソードが1つ。家の整理をしている際に、先祖代々受け継がれて来た“神棚”が出てきたそうなのです! 神棚には「安永2年」という文字と、ご先祖様の名前が残っており、紛れもなく250年前から受け継がれて来たものだということが証明できます。しかも中から出て来たのは“七福神”。時を超えてお目見えした神様との出会いに、特別なものを感じずにはいられません。
細かい仕様面で、ご主人が提案したものを幾つか採用しました。たとえば、家を支える土台には、耐震性・耐久性の強化のため、ヒノキの4寸柱(12センチ)を使用したり、外壁のコーキング剤に、これまでほとんど取り入れてなかった“スーパーKMEWシール”を導入したり。そのどれもが、家づくりを真剣に学んだ、ご主人の思いのあらわれ。そして、その思いに真摯に答えていくのが、アイ-ウッドの家づくりです。家全体の収納力もぐんと増え、新たに採用した対面キッチンでの家事がとても楽しいと奥様が話してくれました。さらに1階には奥様のお母様専用の部屋を設け、部屋の中にトイレや洗面台を設けた配慮も、ご夫婦の思いやりのあらわれでしょう。和室には立派な仏壇が置かれ、ダイニングテーブルの上には、長い眠りから醒めた“神棚”が。「以前よりも、不思議とご先祖様の存在を身近に感じるんです。とても心強いですね」。ご夫婦の笑顔は輝いています。
取材のご協力ありがとうございました!