後悔しない間取り作成の「考え方」とは?順番とコツ、最新トレンドもご紹介

一戸建てを購入する際に、必ず確認が必要になる間取りは、その住宅で快適に過ごせるかどうかを決める重要なポイントです。

今回は、後悔しない間取り作成の考え方、順番とコツ、最新トレンドも併せてご紹介します。

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そもそも、間取りとは?

「間取り=家の建坪」ではありません。「家の建坪」というのは、家そのものの面積のことで、「間取り」はその面積をどのように部屋に割り振るかという、家の中の区画についての計画を表記したものになります。

そのため、間取りの数が大きいから広い家、少ないから狭い家とは限りません。あくまでも、ある一定の面積の家の中をどのように区切ったか、という、区切り方についての表記が間取りなのです。

間取りを考える前に理想の暮らしを明確にする

理想の暮らしを考えるイメージ

まず、ライフスタイルや家族構成を把握し、住まいへのこだわりや希望を整理しましょう。

そして、理想の暮らしをイメージし、具体的な間取りプランを検討していくことが重要です。

家族構成やライフスタイルを考える

注文住宅で理想の間取りを考えるためには、まず「家族構成」と「ライフスタイル」を考えることが重要です。

家族構成とは、一緒に住む人数や年齢、性別、職業などのことです。

ライフスタイルとは、家族の過ごし方や趣味、家事動線などのことです。

これらの情報を把握することで、必要な部屋数や部屋の広さ、収納スペースなどを決めることができます。

(具体例)

  • 家族構成:夫婦と子ども2人
  • ライフスタイル:共働きで、休日は家で過ごすことが多い

この場合、以下のような間取りが考えられます。

  • 子ども部屋を2つ用意する
  • 家事動線を短縮するために、キッチンとリビングを一体化する
  • 趣味の部屋や収納スペースを確保する

住まいへのこだわりや希望を整理する

住まいへのこだわりや希望を整理するイメージ

次に、住まいへのこだわりや希望を整理しましょう。

具体的には以下のようなものがあります。

  • 日当たり
  • 風通し
  • 景観
  • デザイン
  • 機能性
  • 収納
  • 設備
  • 予算

これらの項目を書き出し、優先順位をつけておくと、間取りプランを考える際に役立ちます。

(具体例)

  • 日当たりが良く、風通しの良い部屋に住みたい
  • おしゃれなデザインのキッチンが欲しい
  • 収納スペースはたっぷり確保したい
  • 予算は3,000万円

理想の暮らしをイメージする

具体的な間取りプランを考える前に、理想の暮らしをイメージすることが重要です。

家族で集まって過ごす時間、一人時間を過ごす時間、家事をする時間など、それぞれの時間をどのように過ごしたいかを具体的にイメージしてみましょう。

(具体例)

  • 家族でリビングでテレビを見たり、ゲームをしたりして過ごしたい
  • 子ども部屋で勉強したり、遊んだりできるようにしたい
  • 家事動線を短縮して、家事を効率的に行いたい

関連記事:新築一軒家で4人家族の理想の間取りや広さとは

後悔しない間取り作成の基本的な考え方|考える順番とコツ

後悔しない間取り作成の基本的な考え方のイメージ

理想の暮らし方をイメージしたら、具体的な間取りを考えます。

この章では、間取り作成の基本的な考え方について、考える順番とコツをご紹介します。

間取り作成の順番は、以下の流れがおすすめです。

  1. ゾーニングを考える
  2. 動線を考える
  3. 収納を考える
  4. 採光・風通しを考える

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.ゾーニングを考える:空間を機能的に分ける

間取りを考える上で、まずゾーニングを考えましょう。

ゾーニングとは、リビングやダイニング、廊下などの部屋を空間の中に大まかに配置することを指します。

4つのゾーニングの種類

  • パブリックゾーン(リビング、ダイニング、キッチン、玄関など)
  • プライベートゾーン(寝室、書斎、子ども部屋など)
  • サービスゾーン(洗面・脱衣室、浴室、トイレなど)
  • 通路ゾーン(廊下、階段など)

4つのゾーンの中で、パブリックゾーンは家族だんらんの場になるため、一番日当たりの良い所がおすすめです。次に、パブリックゾーンにそのほかのゾーンをどう接続するかを考えましょう。間取りを考える際は、細かいパーツへの要望ではなく大まかな全体像から先に決めることをおすすめします。

2.動線を考える:スムーズな暮らしを実現する動線設計

家の動線イメージ

ゾーニングを考えたら、「動線」を考えてみましょう。

動線とは、家の中を人が行き来する経路のことを指します。

部屋と部屋のスムーズな移動ができる動線を検討しましょう。

4つの動線の種類

  • 家事動線(料理や洗濯、掃除など、家事を行う際に通る経路)
  • 衛生動線(トイレや浴室へ行く際に通る経路)
  • 通勤動線(各個室とリビングや玄関を結ぶ経路)
  • 来客動線(お客様が移動する際に通る経路)

動線はできるだけ短くするのが基本です。特に家事動線は、短ければ短いほど家事が楽になります。

例えば、料理するときを考えてみましょう。

買い物に行く、料理をする、ゴミを出すのようにさまざまな工程がありますが、その際の動線を考えてみましょう。すると、リビングダイニングがどこにあると移動がスムーズなのかが見えてきます。

2階建ての場合は、階段の位置も重要です。

例えば、玄関からリビングダイニングを通らずに2階へ上がるような階段の配置にすれば通勤動線を短くできます。一方で、必ずリビングダイニングを通らないと2階へ上がれないゾーニングにすれば、通勤動線は少し長くなるものの家族と顔を合わせやすくなります。自分たちの理想の暮らしにあわせた動線を考えましょう。

関連記事:家事動線が良い間取りのアイデア!押さえるべきポイントと間取り事例も

3.収納を考える:使いやすく、無駄のない収納計画

快適な暮らしを実現するためには、使いやすく、無駄のない収納計画が欠かせません。ここでは、収納を考えるポイントについて詳しく解説します。

各部屋に必要な収納量を把握する

まずは、必要な収納スペースの量を把握するために、収納する物をリストアップしましょう。リストアップする際には、衣類、布団、日用品、趣味用品など、カテゴリーごとに分けてリストアップすると良いでしょう。

次に、収納する物のサイズを量って収納する空間がどれくらい必要なのか把握しましょう。

収納するスペースを考える

収納スペースには、大きく分けて以下の種類があります。

各部屋の収納量にあわせて収納するスペースを考えましょう。

  • クローゼット:衣類や布団などの収納に適しています
  • 押入れ:衣類や寝具などの収納に適しています
  • キッチン収納:調理器具や食器などの収納に適しています
  • 洗面台収納:歯ブラシや洗顔料などの収納に適しています
  • トイレ収納:トイレットペーパーや掃除用具などの収納に適しています
  • 棚:本や小物などの収納に適しています
  • 引き出し:文房具や衣類などの収納に適しています

収納スペースを設けるときは、以下の点に注意しましょう。

よく使う物を取り出しやすい場所に収納する

頻繁に使用する物は、取り出しやすい場所に収納することで、動線をスムーズにできます。

重量物や高価な物は安定した場所に収納する

重量物や高価な物は、安定した場所に収納することで、落下や破損を防ぐことができます。

湿気や直射日光を避ける

湿気や直射日光は、カビやダニの発生原因になります。湿気や直射日光を避ける場所に収納することで、衣類や家具を長持ちさせることができます

関連記事:【リビングの収納術】3つのコツや場所・アイテム別アイデアを紹介

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    4.採光・風通しを考える:心地よい空間を作る

    採光・風通しがいい家イメージ

    採光と風通しは、快適な暮らしを実現するために欠かせない要素です。ここでは、採光・風通しを考える際のポイントとして、窓の位置と大きさ、高窓や天窓の活用、風通しを良くする間取りの3つについて詳しく解説します。

    窓の位置と大きさを考える

    窓の位置と大きさを決めるときには、十分な日当たりが確保できるか、風通しがいいかなどを考慮しましょう。また、周囲からの視線を遮るためのカーテンやブラインドなどの目隠しの設置も検討する必要があります。

    高窓や天窓を活用する

    高窓や天窓を活用することで、高い位置からの採光で部屋全体が明るくなったり、部屋全体の空気を入れ替えたりできるといったメリットがあります。また、視覚的にも開放感を与えてくれるでしょう。

    風通しを良くする間取りを考える

    風通しを良くする間取りを考えるポイントとして、窓を対角線上に配置して風の通り道をつくる、家具や壁などの障害物をできるだけ少なくして風の通り道を確保する、吹き抜けを活用して室内の空気を循環させるなどがあります。

    関連記事:吹き抜けは後悔する!?メリット・デメリットと欠点の解決方法

    間取りを決める際には、家具の配置も考えよう

    部屋を広く見せる家具やインテリアの選び方5選のイメージ

    間取りを考える時、ただ漠然と図面を眺めるのではなく、その間取りで過ごしやすいのかどうかを考えるようにしましょう。

    例えば料理をする際、いちいち移動するのは非常に手間がかかりますね。そうならないよう、カウンターキッチンの場合、食器類や冷蔵庫は、カウンターの内部に無くては不便です。また、今ある食器棚や冷蔵庫を置くスペースがあるかどうかを考えて間取りを決める必要があります。

    また、ダイニングからリビングのテレビが見える配置にしたい、テレビの前にはソファを置きたい、など、家具の配置には、家族のさまざまな希望が絡み合ってきます。しかし、背の高いソファなどを置いてしまうと、テレビが見えにくくなるなど、1つの希望を叶えたときに、別の面で不便が生じることもあるのです。

    このようなことを防ぐためにも、間取りを決める際は、自分たちの希望を実現させたときに、本当に使いやすい部屋になっているかどうかということをシミュレーションしてみましょう。

    関連記事:部屋を広く見せる方法3選!家具の配色や選び方、レイアウト例を解説

    家具の大きさも考慮した間取りを考えよう

    間取りを考える際は、今ある家具をきちんと配置できるかどうか考えることも大切です。嫁入り道具などでもらった洋服ダンスや、まだ使える食器棚など、新居に引っ越しても使い続ける予定の大型家具を書き出し、無理なく設置できるか確かめてみてください。
    また、当然、新たな家具を購入する際にも、設置場所と家具のサイズをしっかり見比べて探すようにしましょう。

    間取りは、一戸建て住宅で快適に過ごせるかどうかを決める、非常に重要なものです。間取りは住みはじめてから不便に感じたとしても、なかなか変えることができないので、どのような間取りが自分達に合うのか、よく考えて決めるようにしましょう。

    関連記事:間取り・家具を工夫して広さを生む!狭さを感じさせない家とは

    間取りを考える際の注意点

    注文住宅で理想の間取りを実現するためには、将来の変化、予算、専門家の意見の3つのポイントに注意することが重要です。

    将来の変化を考慮する

    注文住宅の間取りを考える際は、一生その家に住むことを想定して建てましょう。

    将来の家族構成の変化やライフスタイルの変化などを考慮して間取りを考えることが重要です。

    「子どもが大きくなったら、個室が必要になる」「将来は両親と同居する可能性がある」「趣味を始めるかもしれない」など、

    将来の変化を想定することで、必要な部屋数、部屋の広さ、収納スペースなどをより具体的に考えることができます。

    関連記事:子育てがしやすい家の条件!15のおすすめ設備・間取り

    予算を把握する

    注文住宅は、高額な買い物です。

    そのため、予算をしっかりと把握し、その範囲内で間取りを考えることが重要です。

    予算を把握することで、無理のない間取り、後悔のない家づくりをすることができます。

    専門家の意見を取り入れる

    注文住宅は、専門知識が必要な複雑な作業です。

    そのため、建築士やインテリアコーディネーターなどの専門家に意見を取り入れることが重要です。

    専門家は、構造上の問題点、法規制、予算などを考慮しながら、理想の間取りで快適な空間を実現するためのアドバイスをしてくれます。

    間取りの最新トレンド

    近年、ライフスタイルの変化や住環境への意識の高まりから、間取りにも様々なトレンドが生まれています。

    今回は、その中でも特に注目されている間取りを3つご紹介します。

    玄関手洗いスペース

    玄関手洗いスペースのイメージ

    コロナ禍の影響もあり、帰宅時に手洗いを徹底する人が増えています。

    そこで、玄関に手洗いスペースを設ける間取りが人気です。

    手洗いスペースがあれば、帰宅後すぐに手を洗うことができ、衛生的に暮らすことができます。

    また、来客時にも手洗いスペースがあると便利です。

    書斎・ワーキングスペース

    書斎、ワーキングスペースのイメージ

    テレワークの普及により、自宅で仕事をする人が増えています。

    そこで、書斎やワーキングスペースを設ける間取りが人気です。

    書斎やワーキングスペースがあれば、集中して仕事に取り組むことができます。

    また、家族との時間を区別したり、趣味を楽しむ空間としても活用できます。

    玄関のウォークインクローゼット

    玄関のウォークインクローゼットイメージ

    玄関にウォークインクローゼットを設ける間取りも人気です。

    玄関にウォークインクローゼットがあれば、コートや靴、バッグ、ゴルフ道具など、出かけるときに必要なものをまとめて収納することができます。

    ほこりや花粉などを部屋の中に持ち込まずにすむので、衛生面でもおすすめの間取りです。

    間取り表記には基本ルールがある

    間取りには、独特の表記ルールがあります。基本的なルールは、以下の通りです。

    • 数字…部屋の数
    • アルファベット…目的が限定された部屋

    「目的が限定された部屋」を表すアルファベットの種類はいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。

    • L=リビング(居間)
    • D=ダイニング(食事をする場所)
    • K=キッチン(台所)
    • WICもしくはWCL=ウォークインクローゼット(衣類収納用小部屋)

    また、現在ではLDKと書かれていた場合、L+D+Kではなく「リビングダイニングキッチン用途の12帖以上の広い部屋」という意味で使われることが多いです。

    よくある質問

    間取りを考えるときは何から考えればいいですか?

    注文住宅の間取りを考える際には、まず、「家族構成」と「ライフスタイル」を把握しましょう。その上で住まいへのこだわりや希望を整理することから始めるのがおすすめです。

    間取りを決めるのに何ヶ月くらいかかりますか?

    多くの人は間取りを決めるのに3〜6カ月ほどかかるといわれています。さまざまな希望がある場合は、その分だけ期間も長くなる傾向にあります。

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